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ミトコンドリアのクリステ膜形成メカニズムを解明する

目的

私たちが生きる上で欠かせないエネルギーは細胞の中のミトコンドリアと呼ばれるオルガネラで作られています。ミトコンドリアは限られたスペースで効率的にエネルギーを生産するために,エネルギー生産の場であるミトコンドリア内膜を高度に折り曲げたクリステと言う構造を形成することが知られています。私たちはこの特殊なクリステ膜構造がどのようなメカニズムで形成されているのかを解明するべく研究に取り組んでいます。

概要

私たちが生きていくために必要なエネルギーの多くは,細胞の中にある「ミトコンドリア」と呼ばれる細胞小器官で作られます。ミトコンドリアは外膜,内膜とよばれる二枚の脂質膜で囲まれた構造を持ち,エネルギー生産を担う酵素群は内膜に存在することがわかっています。ミトコンドリアの内膜は,ミトコンドリアの内側に「クリステ」と呼ばれるチューブ状や層状の膜構造を作ることでその表面積を増加させ,自身のエネルギー生産効率を最大化しています。この特徴的なクリステ膜構造がミトコンドリア内にあることは古くから知られていましたが,このような複雑な膜構造が作られる仕組みはほとんどわかっていません。私の研究室では,出芽酵母をモデル生物として用いた遺伝学や生化学的研究手法を駆使して,ミトコンドリアの外膜,内膜間における脂質輸送が,チューブ状のクリステ構造の形成に重要な役割を果たすことを世界で初めて示しました。また,ミトコンドリアのクリステ構造が作れなくなると,ミトコンドリアに特異的に存在するリン脂質,カルジオリピンが著しく減少することも明らかにしました。引き続き,高度に折り畳まれた膜構造の形成原理を明らかにするべく研究を続けています。

ミトコンドリアの電子顕微鏡画像と模式図

関連サイト

田村研究室HP

代表者、担当組織

田村 康

担当学部

理学部

連絡先

tamura@sci.kj.yamagata-u.ac.jp

このプロジェクトを支援

山形大学基金(学部等への支援)
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