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がんゲノム検査の実現と展開 ~山形オリジナルのプロジェクトを含めて~ (がんゲノム管理室コアメンバー)

目的

がんゲノム検査は2019年9月に保険適応となりましたが、ゲノム検査を独自で完遂できる施設は日本に僅か45施設しかありません。本学の附属病院は厳しい選考を経て、ゲノム検査を完遂できる病院「がんゲノム拠点病院」として認定を受けました。ゲノム検査は、治療法の無い患者さんにゲノムの観点から検査を行い、治療薬を探す検査ですが、そこには、まだまだ課題が山積されています。山形県民が少しでも恩恵を浴することができるように、課題解決のために、ゲノム管理室コアメンバーは、本県独自の取り組みをたくさん行っています!

概要

本プロジェクトは、附属病院ゲノム管理室コアメンバーが行っている、がんゲノム検査を山形県独自に、カイゼン、発展展開するプロジェクトです。

★山形県民のゲノム情報を参照データに使用★
一般にゲノム検査は、国外や、京都大学などのデータベースを使用して、得られた結果を解釈します。ですが、我々は「山形県民の遺伝子データベース」を独自に参照し、山形特有の遺伝子変化かどうか?なども含めて、山形県民に特化した結果を返却し、山形県民の健康と福祉につなげています。

★県内を勉強会行脚、WEB勉強会も多数、高校生向けのゲノム教育も★
山形県内の地域の中心となる病院を中心に病院ごとに何度も勉強会を開催し、コロナ禍でもWEBを駆使してたくさんの勉強会を行い、身近な存在とはいえなかったゲノム検査を県内の医療者へ情報共有を行うことで、県内のがん患者さんが遍く検査を受けることができる体制を構築し、当院には県内中の病院から検査紹介があり、地域ごとの不利益が無くなってきています。また、山形県は人口比で日本一のゲノム病院密度であり、当院のほかにも日本海総合病院、県立中央病院からも出検することができ、3病院から出検できるのは東北唯一で、コアメンバーはそのサポートに努めています。また、一般向けの公開講座だけでなく、高校生へのがんゲノム検査教育も行い、将来の医者のタマゴである生徒さんに興味をもってもらうなど、教育活動にも熱心に取り組んでいます。(活動は、学術振興会科学研究費に採択され予算をいただきました。)

★県内のがん治療医の臨床研究サポート★
コアメンバーは県内のがん治療医の先生方の臨床研究もゲノム検査で得た沢山の知識と経験からサポートしており、県内中の病院の先生の研究の困りごとなどへの相談に載っております。これにより、新たな医学の1頁が築かれる可能性もあり、発展的な分野であると考えており、重要な取り組みとしています。

★ワンストップでのイージーなゲノム検査依頼体制の確立★
ゲノム検査の結果を診療に反映させるには、「主治医」のがんゲノムへの深い理解と知識、経験が必要で、他地域では、主治医間での知識や力量の差が問題となっています。わたしたちコアメンバーは、原則として主治医の先生の求めや希望に応じて、治験へのアクセス、仲介相談、遺伝性腫瘍の検査など全ての相談、委任を受け付けています。それにより、がんゲノムが不案内な先生が主治医の場合でも、患者さんが遍く平等な対応を受けられる体制が確立できるように、尽力しております。主治医の先生からも「苦手だから助かったよ」と好評を得ることも多いです。公平な医療が受けられるように、尽力しております。

★検査結果の早い返却★
通常、他地域では、検査結果が出てから、返却するまでに行う検討会議の準備などに1週間ほどかけることが多いですが、私たちは検査結果が出つつある状況から検討会議を始め、検討会議の当日には結果が返却できる「山形メソッド」ともいえる方法を確立しました。コアメンバーは、山形県民が少しでも良い医療を早く受けられるよう、日夜尽力しております。

★検査結果解釈の外部委託を行っていません★
コアメンバーは、検査結果の解釈について、検査結果解釈委託会社へデータを渡すことなく、コアメンバーで結果の解釈を行っています。これにより、医療費の削減、情報漏えいリスクの低減、早い検査結果の返却、一人一人の電子カルテ情報や希望に基づいた個別化医療の視点でのレポートの作成につながっています。一人一人の患者さんに、ベストなそれぞれのレポートを作成するように努めています。また、これにより、何度でも追加検討、再検討が可能な体制が構築されています。

★Update制度というボランティア活動★
私たちコアメンバーのオリジナルの制度で、一度検査結果が出てしまったら本当はそこでおしまいなのですが、「時間が経って、医療情勢が変わっていないか?」という患者さんの声に応じて、検査結果が出てしまって、レポートが発行されたあとでも、数か月以上経過した患者さんや家族から、「現在の医療情勢で、新たに始まった新薬の治験や、新規保険承認となった薬剤は適合しないか?」という声に、コアメンバーのボランティアという形で対応しています。実際に治療につながった患者さんもおり、患者さんからもポジティブな声をいただくことの多いオリジナルの活動です。

★遺伝性腫瘍の検査体制の確立★
他地域では、遺伝性腫瘍が疑われた場合でも検査がうまくできなかったり、高額な検査会社1社しか選べず、自費診療となり患者さんの経済的負担となることが問題となっていました。ですが私たちコアメンバーでは、ほぼ全ての検査会社と契約を結び、少しでも金銭的負担が少ない検査方法や、少しでも病的意義が正確に返却される検査方法を、個人個人に応じて提案しています。

上記のように、ただ結果を返すのではなく、教育・公平な医療・臨床研究(技術基盤)などの多くの視点から、多職種連携のコアメンバーは毎日、努力しています。

がんゲノム管理室コアメンバー構成員
医師(鈴木(修)ら)、薬剤師(田中ら)、認定遺伝カウンセラー(加藤)、看護師(鈴木(理)ら)、事務員(鏡、矢作ら)

ゲノム検査には患者さん・ご家族への説明と同意取得が必要です

検討会の様子、教育の様子など

代表者、担当組織

がんゲノム管理室コアメンバー

担当学部

医学部

連絡先

s-suzuki(アットマーク)med.id.yamagata-u.ac.jp

関係者、共同実施者

鈴木(修)、鏡、田中、加藤、鈴木(理)、今野、矢作ら

このプロジェクトを支援

山形大学基金(学部等への支援)
※「学部等名」にプロジェクト名を入力願います。

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