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ESDの視点を取り入れた買い物・調理学習(附属特別支援学校 高等部3年)
目的 |
本校高等部3年の生徒が、附属学校園の栄養教諭や地産地消の取組を進めている飲食店の方との出会いから、自分たちの生活や消費行動が環境につながっていることの実感と、価値観や行動の変革を促す。 |
概要 |
初めに、学校卒業後の生活について触れつつ、昨年度学習した栄養バランスを振り返りながら、主食、主菜、副菜、汁物の分類ごとに冷凍食品やフリーズドライ食品をスーパーで購入し、調理して食べてみました。調理方法や味について感想や気付きを共有することで、一人でもおいしく調理できるという実感につながりました。
次に、栄養教諭の食育指導で、地球のゴミ問題や食品ロスについて学びました。身近な問題に触れながらクイズ形式で話をした後、「地球のために、私たちができることは何でしょうか。」と問い掛けることで、生徒が地球規模の問題を自分事として考えるきっかけになりました。そして、栄養教諭から地産地消の取組について聞き、県庁食堂を紹介してもらいました。地産地消に取り組む飲食店に自ら連絡を取って食事の予約をし、実際に赴いて話を聞いたり地産地消の味を楽しんだりする経験を通して、地産地消の良さを実感したり、地球の問題解決に取り組む方の営みに憧れて自分たちができることについて考えるようになりました。また、生徒の身近なことからゴミについて考えられるように、給食の残飯に着目できるようにし、毎日余った白米の量を計るようにしました。
その後、県庁食堂で食べた食事の一品である「芋煮」を調理する活動を行いました。地域の名物である芋煮を作る際には山形産の食材を使うため、買い物の際は「産地」に注目して食材を選ぶことができました。スーパーでは、「なくそう!フードロス」などの特設コーナーに気付けるよう事前に情報を伝えるようにしたり、店頭にあるリサイクル・ステーションで家庭から持参した食品トレイや牛乳パックをリサイクルする経験も行ったりしました。
単元のまとめでは、栄養教諭に自分たちが学んだことや、調査した白米の残飯の量を報告しました。その後、附属小学校と附属特別支援学校の家庭に配付される「給食献立表」の一部に、生徒たちが本単元で学んだ内容をタブレット型端末でまとめて掲載しました。自分たちの学びを下の世代に伝えることで、持続可能な社会のための行動を広めることができました。
・本学習で働かせるESDの視点(見方・考え方)
【相互性】一人一人の消費行動が身近な自然に影響を与え、これを無視して続けていれば地球環境に大きな負荷を掛ける。
【責任性】私たち一人一人が環境全体を考えて消費行動を見直し、生活を変えていくことが大切である。
・本学習で育てたいESDの資質・能力
【クリティカル・シンキング:】自分の都合だけでなく、環境に配慮した生活や消費行動をしているかを考える。
【長期的思考力】私たちの生活が今後の地球環境にどう影響するか考える。
・本学習で変容を促すESDの価値観
【世代間の公正】自分たちも、将来の人も、豊かな地球環境で生活できるような消費生活を追求することが大切である。
【自然環境や生態系保全を重視する】環境に配慮した消費生活でないと、環境に負荷を掛けてしまい、「より良い」消費行動とは言えない。
本実践について、令和3年12月25日、26日に奈良教育大学で開催された近畿ESDコンソーシアム成果発表会・実践交流会において、実践報告を行いました。
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代表者、担当組織 |
附属特別支援学校 |
担当学部 |
附属学校園 |
連絡先 |
yfuyo@med.id.yamagata-u.ac.jp |
関係者、共同実施者 |
令和3年度高等部3年担任(代表:阿部友幸) |
このプロジェクトを支援 |
山形大学基金(附属学校(園)への支援) |
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