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ESDの視点を取り入れた作業学習(附属特別支援学校 高等部木工グループ)

目的

 附属特別支援学校高等部の各教科等を合わせて指導を行う指導形態の1つである作業学習(木工グループ)の授業で、森林保全に関わる材木店の方や村山総合支庁森林整備課の方、県民の森の案内人の方などとの出会いから、県産材を使うことで「消費者・生産者・地球環境のみんなが喜ぶ」ということの実感と行動の変革を促す。

概要

 山形県では、林業に従事する労働者が減り、手入れの進まない人工林が増加することで、森林の荒廃が静かに進んでいます。そこで県では、森林の多面的機能の維持と調和を大事にして、地域の豊かな森林資源を活用して雇用創出を図り、地域全体の活性化につなげていく「やまがた森林ノミクス」という取組みを行っています。県産材を利用することもその一環であり、森林の多面的な役割を守ってくれる林業家にお金が入り、林業家は森林の手入れができ、山形の森を持続可能にするサイクルを回すことができます。そこで、持続可能な社会づくりの視点から、作業学習で使用する木材の選択による影響について考え、県産材を扱うことによる効果について学びながら製品作りを行うこととしました。
 導入では、附属幼稚園との交流バザーに向けた製品作りについて教師から投げ掛け、昨年度から木工グループに所属している生徒からの発言を基に県産材や箸作りについて触れました。「県産材とは何か。」、「今使っている木材と県産材は違うのか。」という疑問が生まれました。
 その後、実際に森林保全に関わっている村山総合支庁森林整備課の方に連絡し、昨年度行わなかった県民の森の見学を行いました。森の案内人の方の案内を受けながら、実際に森林に入って杉の木が生えそろった様子や伐採された様子、植林された様子を見ることで、より森林やそこで働いている人を身近に感じることができました。また、その後に材木店の見学も行うことで、木が伐採・加工されて自分たちの手元に届いていることを理解することができました。
 製作では、試作した箸を自分たちで使ってみて感じたことを製品化に活かしたり、買い手となる附属幼稚園の園児のことを考えて箸の長さやデザインを考えたりすることで、生徒自ら仕上がり具合をよく確かめてよい良い製品づくりに努める姿が見られました。
 バザーで製品を販売する際には、県の「やまがた森林ノミクス」を推進することで地域に貢献し、幼稚園児やその保護者なども製品を購入することで持続可能な社会づくりに貢献できるということを伝えるようにしたことで、「やまがた森林ノミクス」について広めることができました。

・本学習で働かせるESDの視点(見方・考え方)
【相互性】木材の地産地消をすることが環境保全や地域の経済活性化に影響すること。
【有限性】森林は有限な資源であり、適切に使用しなければ地球環境に大きな負荷を掛けること。
【責任性】私たちが地球環境のことを考えて行動を変えていくことが何よりも大切であること。
・本学習で育てたいESDの資質・能力
【クリティカルシンキング】生産者や地球環境に配慮しているか、自分たちにとって身近な材料から見つめ直す。
【システムズシンキング】木材が森林で育てられ、伐採、加工、輸送されて自分たちの手元に届くことを理解する。県産材を使うことで、森林の多面的な役割を守ってくれる林業家にお金が入り、林業家が山形の森を元気にする取組ができ、山形県や山形市の森林が持続可能になる。
【協働的問題解決力】森林保全にかかわっている方々や身近な仲間、教師と協力して、県産材を使用した製品の製作や販売に取り組む。
・本学習で変容を促すESDの価値観
【自然環境、生態系の保全を重視する】県産材を使用することで、森林が手入れされて持続可能になったり、資源の無駄遣いを防止したりすることができるため、積極的に使用するとよい。
【世代間の公正】現在だけでなく、将来にわたって地球環境を豊かにするために、使用する木材の選択が大切である。

 本実践と関連する本校での取り組みについて、有志の生徒3名が、山形新聞社のやまがた未来プロジェクト2022の「SCHOOL REPORT!」(2022.02)で紹介しています。詳細は以下の関連URLからご覧ください。

県民の森見学のまとめ

箸作りの様子

関連サイト

山形新聞社 やまがた未来プロジェクト2022「SCHOOL REPORT!」(2022.02)

代表者、担当組織

附属特別支援学校

担当学部

附属学校園

連絡先

yfuyo@med.id.yamagata-u.ac.jp

関係者、共同実施者

令和3年度高等部木工グループ担当(代表:阿部友幸)

このプロジェクトを支援

山形大学基金(附属学校(園)への支援)

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