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分子時計のアプローチからの膵臓疾患の解明

目的

膵臓は、栄養素からエネルギーを得るための大切な臓器です。微量元素の一つの「亜鉛」の、体内での量を調節するのに重要な働きをしていることも知られています。
膵癌は未だ予後が不良の癌であり、膵癌のもととなる前癌病変がいかに生成されるか、そしてどのように悪性化をしていくのか、その仕組みを理解することは重要な課題であると考えています。前癌病変の起源については未だ解明されていない部分が多く残されており、このメカニズムの解明に資することを目的として、研究を実施しています。膵β細胞の分化・増殖や機能における生物時計の役割を明らかにすることも目的として、研究代表者が専門としております時間生物学の観点を取り入れて、亜鉛との関連に力点をおいて研究しています。

概要

栄養学の具体的な臨床応用に関して業績を有する、山形大学医学部遺伝子実験施設 (現メディカルサイエンス推進研究所)の第二代目施設長・早坂 清 先生 (山形大学医学部小児科客員教授)をアドバイザーとし、大学や病院組織の枠を超えた「クリプトクロム・時計遺伝子研究グループ」を形成して、ヒト細胞やマウスを用いて、学内外の研究者と連携して研究を推進しています。
研究の経緯につきましては、拙文(「亜鉛欠乏不全型Cryptochromeの過剰発現は概日リズムの異常,膵β細胞の分化転換及び膵癌前駆病変を誘起する」, 月刊「細胞」2022年6月号 「低酸素生物学の新展開」 )をご参照ください。

細胞レベルでサーカディアンリズムを作り出している分子時計の模式図。
時計タンパク質CRYとPERの結合に亜鉛(Zn)が必要である。

図a, 研究グループで確立したマウスの症状。亜鉛イオンとの結合を妨げる変異を持つ時計タンパク質CRY1を発現するマウスは糖尿病を発症するとともに, 膵ラ氏島内に膵管癌前駆病変が多発する。

図b, 生化学の研究手法で新たに特定した新規のCRY2結合タンパク質

関連サイト

https://researchmap.jp/read0122977

代表者、担当組織

岡野 聡

担当学部

医学部

連絡先

sokano@med.id.yamagata-u.ac.jp

このプロジェクトを支援

山形大学基金(学部等への支援)
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