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分子時計のアプローチからの膵臓疾患の解明

目的

膵癌は未だ予後が不良の癌であり、膵癌のもととなる前癌病変がいかに生成されるか、前癌病変にはいかなる機能があるのか、そして概日リズムの異常は前癌病変の悪性化とどのように関連するのか、その仕組みを理解することは大切であると考えています。近年、膵癌関連糖尿病において、膵β細胞の成熟形質の喪失、すなわち脱分化が関与する可能性が示唆されており、その分子機序の解明も重要な研究課題と考えられます。
当研究グループではこれらのメカニズムの解明に資することを目的として、亜鉛イオンと適切に結合でない変異を持つ時計タンパク質CRY1の変異体 (CRY1-C414A)を発現させることで概日リズムに異常を来したマウスを用いて、このマウスに生じる特異な膵管病変の生成機序とその機能の解明を行っています。膵β細胞の脱分化や分化転換と生物時計の関係を明らかにすることも目的として、研究代表者が専門としております時間生物学の観点を取り入れて、細胞レベルの研究も実施しております。
なお、本研究は東北大学加齢医学研究所共同研究、および科研費 基盤研究(C)[24K11670]としても実施しており、これまでに一定の研究成果をあげてきました。研究の経緯につきましては、拙文(「亜鉛欠乏不全型Cryptochromeの過剰発現は概日リズムの異常,膵β細胞の分化転換及び膵癌前駆病変を誘起する」, 月刊「細胞」2022年6月号, Page 410-420 )をご参照ください。

概要

栄養学の具体的な臨床応用に関して業績を有する、山形大学医学部遺伝子実験施設 (現メディカルサイエンス推進研究所)の第二代目施設長・早坂 清 先生 (山形大学医学部小児科学講座名誉教授・客員教授)をアドバイザーとし、大学や病院組織の枠を超えた「クリプトクロム・時計遺伝子研究グループ」を形成して、学内外の研究者(安井明 加齢研フェロー・名誉教授, 菅野新一郎 加齢研講師, 佐藤賢一 東北医科薬科大学病院 消化器内科教授・病院長, 五十嵐雅彦 医師 公立高畠病院, 佐々木悠 山形大学医学部附属病院 消化器内科講師ら)と連携して研究を推進しています。
最新の研究成果は米国糖尿病学会大会(ADA Scientific Sessions)で公表するとともに、その内容をePosterとしてweb上で公開しています。東北大学加齢医学研究所共同研究および科学研究費助成事業のwebサイトにも、本チームの年度毎の成果が研究成果報告書の形で公開されております。

細胞レベルでサーカディアンリズムを作り出している分子時計の模式図。
時計タンパク質CRYとPERの結合に亜鉛(Zn)が必要である。

図a, 研究グループで確立したマウスの症状。亜鉛イオンとの結合を妨げる変異を持つ時計タンパク質(CRY1-C414A)を発現するマウスは糖尿病を発症するとともに, 膵ラ氏島内に膵管癌前駆病変が多発する。

図b, 生化学の研究手法で新たに特定した新規のCRY2結合タンパク質

関連サイト

https://researchmap.jp/read0122977

代表者、担当組織

岡野 聡

担当学部

医学部

連絡先

sokano@med.id.yamagata-u.ac.jp

このプロジェクトを支援

山形大学基金(学部等への支援)
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