YU-SDGsプロジェクト

プロジェクト検索

ホーム > YU-SDGsプロジェクト検索 > 生ゴミ→資源化、ヤマダイミズアブ!

生ゴミ→資源化、ヤマダイミズアブ!

目的

自宅~地域~世界に溢れる生ゴミを強力に資源化!さまざまに利用したい!
※※キーワード:ゼロウェイスト、カーボンニュートラル、循環型社会、教育※※

概要

① 【ヤマダイミズアブプロジェクト誕生】
2021年の春、山大農学部キャンパスで留学生が見つけたアメリカミズアブ。大学生協や地域の食品廃棄物を餌にして飼育・繁殖させヤマダイミズアブと名付けました。このムシの機能を活用した食品廃棄物等の処理資源化及び資源の総合的利活用方法を検討・開発・利用普及を目指す「ヤマダイミズアブプロジェクト」を、多国籍(インドネシア、ケニア、カメルーン、中国、日本)なメンバーでスタート! 2023年11月現在まで活動を継続しています。

② 【ヤマダイミズアブとは?】
 山大で養殖したアメリカミズアブのこと。ハエ目の昆虫の一種、人を刺したりしない安全なムシ。世界的に盛んに研究・実用化されています。孵化幼虫は食品廃棄物等を盛んに食べ、フンをし、2週間で10000倍ほどの重量に成長!フンは肥料、幼虫は飼料として利用されます。その素晴らしさをいち早く山形に取り入れ、山形の環境にあわせた独自の技術を開発し、自宅から世界まで、幅広く様々に利活用します。

③ 【“ほぼ”ゼロウェイスト?】
2021年6月9日~2023年11月17日現在まで、農学部生協売店・食堂の食品残渣を平日は毎日(食堂は金曜のみ)回収してきました(累計:食堂230.6kg、売店676.5kg)。これらを農学部研究室内の食品廃棄物等資源化プラントを365日休みなく稼働!以前は焼却されていた生ゴミを、現在はほぼ全て資源化(“ほぼ”ゼロウェイスト?)を実現しています。生ゴミを焼却すると重量で倍の二酸化炭素が排出されるといわれているので、単純計算で1.8トン程度の二酸化炭素の排出を阻止したとも考えられますね。

④ 【地域への影響1】
 様々な関係者に協力いただき、地域内外の食品廃棄物等の処理資源化してきました(累計3.9トン)。地域独特の様々な種類の生ゴミを組み合わせることで、資源化の効率が高まります。例えば牛糞は特定の食品廃棄物と組み合わせることで効率的な資源化が可能であることがわかりました。
※※※※※協力機関等※※※※※
食品残渣の供試:山形大学生協農学部店、療食、マックスバリュー鶴岡南店、鶴岡市白山給食センター、荘内病院、阿蘇食品、まるい食品、山田鶏卵、珈琲島、舟形マッシュルーム、ルートイン鶴岡駅前、鯉の六十里、山形刑務所など
資源の利用:山形大学農学部、庄内農業高校、損保ジャパン、内水面水産研究所、山形県水産振興協会、農家の皆様(酒田市、三川町、鶴岡市、小千谷市、喜多方市)

⑤ 【地域への影響2】(以下ヤマダイミズアブ→YM)
食品廃棄物等由来の循環系A~Dを県内の複数地域で試験稼働しています。
A:大学生協(残菜、コンビニ廃棄物)→YM(資源化)→山形大学農学部(各種試験利用)
B:荘内病院(野菜残渣など)→YM(資源化)→庄内農業高校(根菜栽培試験)
→荘内病院(病院食への利用)
C:阿蘇食品(荘内麩)→YM(資源化)→酒田市小林の工藤氏(蕎麦農家)→蕎麦栽培
D:山田鶏卵(鶏糞)→YM(資源化)→山田鶏卵(アスパラガス栽培)

⑥ 【他分野、海外への影響】
ヤマダイミズアブのシステムを利用した食品廃棄物・資源化をトピックとした環境教育プログラムを、山形大学STEAM教育推進センターの事業の一つとして実施しました(令和5年9月と10月)。参加した小中学生は自宅の家庭生ゴミを持ち寄り、資源化し、資源の利用循環までの一連のプロセスを実習により学びました。次年度は規模を拡大し、県内全域の生ゴミを子供たちとともに集め、資源化し、必要としている場所に届けるというプログラムを予定しています。本プログラムはASEAN諸国の一つ、インドネシアの小学校・中学校・高校と合同での実施を検討しています。

⑦ 【今後の展開】
・資源化システムの最適化:さらに省スペース・省コスト・高効率・安全さを極めたシステムの開発、普及を目指します。
・資源の利用拡大:さらに様々な種類の生ゴミ、資源の総合的利活用の拡大を目指します。
・家庭での生ゴミ処理システム開発:国内外のメンバーの自宅で試験運用中です。
・海外展開:インドネシアなど海外の循環型社会の村々(チプタギラ村、カンプンナガ、ジュレゴンガン村など全てジャワ島)、大学(パジャジャラン大学、ガジャマダ大学、ムハマディア大学)、小中高校などとの協力関係を強化し、山形の山村での循環経済の強化、衰退する農業や社会の復興維持を目指します。

代替テキスト:生ゴミ資源化のプロセスです。①例えば私の家の生ゴミを、②数時間で食べつくすミズアブの幼虫、③育った幼虫は飼料に、④ウンチは肥料に、という素晴らしいシステムです。

「生ゴミで肥料つくったらいいでしょう」とは、近年の肥料価格の値上がりの中で浮かんだ言葉です。ヤマダイミズアブの資源化システムを使えば、①例えば私の家の生ゴミを、②数時間で食べつくすミズアブの幼虫、③育った幼虫(租タンパク含有量40-50%)は飼料に、④ウンチは肥料に、安全に高効率に変えることも可能!このシステムを使って、地域の生ゴミや家畜排せつ物をどんどんと資源化し、地域に循環させています。

このシステムを使えば例えば山形大学農学部生協の廃棄物1kgを2週間で300gにまで減容化。このうち200gがミズアブの幼虫に育ち、残り100gがミズアブ幼虫のフンになります。それぞれ飼料と肥料として使われます。

酒田市小林の農家工藤さんの蕎麦畑は長さ3kmにもおよび、その全てをたった一人で管理しています。肥料価格の高騰(数年前の倍!)もあって有機肥料を施肥できていません。化学肥料だけでは土地はやせていく一方。大学の試験からミズアブたい肥は蕎麦にも効果があると判明!(上記写真)※その他作物にも効果あります。酒田市小林の隣地区にある阿蘇食品の協力で得たミズアブ肥料を、工藤さんの蕎麦畑の一部で試用させて頂きました。

関連サイト

・YOUTUBEチャンネル:活動の概要や、食品廃棄物などの実際の処理の様子などが見れます。

・ヤマガタステム(STEM)アカデミー:ヤマダイミズアブシステムを使った環境教育事例が見れます。

代表者、担当組織

佐藤 智・ヤマダイミズアブ

担当学部

農学部

連絡先

aphidophagas@hotmail.co.jp

関係者、共同実施者

概要④を参照ください。

その他・備考等

・概要④にある協力者リストにあるように、多数の協力企業・団体・個人の皆様に協力を賜りまして成り立っているプロジェクトです。この場を借りてお礼を申し上げます。
・第1回、第2回山形大学異分野交流学会に参加しました。第1回は学長賞、第2回では話題賞を受賞できました。応援ありがとうございます。

このプロジェクトを支援

山形大学基金(学部等への支援)
※「学部等名」にプロジェクト名を入力願います。

一覧へ