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“「山形五堰」を後世に残したい!”プロジェクト

目的

 山形市の人々の身近にある「山形五堰」。山形藩の殿様・鳥居忠政が整備してから来年で400年になります。歴史ある「山形五堰」がこれからも人々に愛され、後世に残るために、アーカイブ活動、清掃活動、五堰調査をおこなっています。

概要

 「まちの記憶を残し隊」は、山形県の“現在”を後世に残すために、風景・建物の写真撮影や、人々の記憶を収集するオーラル・ヒストリーをおこなっております。今回、紹介するプロジェクトは、サークルの活動の一つ、“「山形五堰」を後世に残したい!”です。

〇「山形五堰」とは
 「山形五堰」とは、「笹堰(ささぜき)」「御殿堰(ごてんぜき)」「八ヶ郷堰(はっかごうぜき)」「双月堰(そうつきぜき)」の五つの水路の総称で、1624年に鳥居忠政によって整備されたと伝えられ、農業用、生活用、排水用として人々に活用されてきました。「山形五堰」は「馬見ヶ崎五堰」と呼ばれることもあったようです。70年代以降、社会構造の変化から農地が減少し、その役割の変化が求められました。90年代には、「山形五堰」は、まちの人々が水に親しむ「親水空間」としての活用方法が注目され、2000年代からは、「水の町屋七日町御殿堰」「十一屋」などまちづくりで活用がなされています。
そして、2023年11月4日にはインドにて、国際かんがい排水委員会(ICID)によって「山形五堰」が「世界かんがい施設遺産」に認定されました。

〇プロジェクト内容
“「山形五堰」を後世に残したい!”プロジェクトの具体的な活動は、「山形五堰」の現在の様子を撮影してアーカイブすること、山形五堰の文系・理系調査活動、山形大学の周辺の笹堰清掃、山形五堰の周知活動「山形五堰パンフレット」の作成・配布の4つです。

・「山形五堰」のアーカイブ
「山形五堰」の伝統的な石積み技法の細部を表した文献や絵は残っておらず、現代ではそれを知ることが出来きません。これは、今現在の私たちも同じことが言えます。今現在の記憶を残していかなければ、何十年後かの未来の人々は、私たちが生きている時代の「山形五堰」のことを知ることができません。つまり、今を残すことは、未来の人々にとってかけがえのないものであると考え、「山形五堰」をアーカイブすることを決めました。
そこで、「まちの記憶を残し隊」は、2023年8月11日に、山形市農村整備課主催の「山形五堰見学会」に参加しました。市役所の方から「山形五堰」の歴史・分水スポットをご教示いただき、写真も撮影しました。それらのデータは、山形大学附属博物館で保存され、後世に残ります。
 さらに、「まちの記憶を残し隊」が収集した「山形五堰」の写真は、2023年9月に「山形アーカイブ」で公開されました。「山形アーカイブ」にて公開されたことで、私たちが収集した現在の「山形五堰」は、誰でも利活用できるようになり、これから、教育・まちづくり・環境問題の解決などでの活用が期待されます。
 私たちは、これからも定期的に「山形五堰」をアーカイブし、過去・現在・未来をつなぐ存在として活動していきます。

・山形五堰の文系・理系調査活動
 「山形五堰」の調査は、「山形五堰」の新たな価値をつくりだし、写真では残せない“現在”の五堰の様子を後世に伝えるものだと考えています。
文系の視点では、「親水空間」として2001年に施工された大学周りの「笹堰」、正式名称「大学通りせせらぎ水路」空間を、日本の国土開発計画や全国の自治体の「親水空間」づくりの変遷といったマクロの視点。そして、山形市の総合開発計画、事業計画といったミクロの視点から調査し、その全貌を明らかにしています。また、今後はオーラル・ヒストリーといったインタビューの手法を用いて、「山形五堰」について関わる人々の記憶を収集することを計画しています。
 理系の視点では、環境による変化から見られなくなった「バイカモ(梅花藻)」、「ホタル」が生息できる環境を明らかにするために、山形大学「生物学研究会」と連携し生態系調査を中心として、笹堰「大学通りせせらぎ水路」に生息している生物の特定、そして水質調査を「美しい最上川フォーラム」の協力のもと、調査を行っています。
 これら二つの視点から、大学周りを流れる「山形五堰」の一つである「笹堰」、「大学通りせせらぎ水路」に再び「バイカモ(梅花藻)」、「ホタル」が生息できるように。またそれだけなく、新たな「親水空間」の在り方を調査、探究していく予定です。

・山形大学の周辺の笹堰清掃
 「まちの記憶を残し隊」は、私たちが日々通っている山形大学小白川キャンパスの周辺を流れる「山形五堰」の一つ「笹堰」の一区画(大学通りせせらぎ水路)を「山形市農村整備課」と協力して「山形五堰環境保全モデル事業」として清掃・管理しています。
 大学の周りを流れる水路は、長い年月をかけて土砂が堆積し、雑草が生い茂り、環境が激変してしまいました。そのため、かつて見られた梅花藻(バイカモ)やホタルが見られなくなってしまいました。それだけでなく、水路にはタバコの吸い殻、プラスチック容器、ペットボトルなどのゴミが見られ、地域の人々が水の流れを楽しむ「親水空間」としての姿は残念ながら見られなくなっています。
 こういった状況を確認した私たちは、かつての「親水空間」を取り戻し、山形大学生の身近な存在として愛され、後世にも残るように、清掃・管理を行っています。

・山形五堰の周知活動「山形五堰パンフレット」の作成、配布
 「まちの記憶を残し隊」の“現在”を残す活動は、周知活動が必要不可欠です。私たちの活動に共感し、参加してもらうためには、なぜ“現在”を残すことが必要なのか、どのような活用の仕方があるのか、未来にどのような影響を与えるのかなどを人々に理解してもらい、次の世代に引き継ぐ必要があるのです。今回、“「山形五堰」を後世に残したい!”プロジェクトも、なぜ必要なのか、そもそも「山形五堰」にどのような魅力があるのか周知する必要がありました。そこで、私たちは、9月開催の「ななはく!」というイベントで「山形五堰パンフレット」を配布することを決めました。そして、小幡圭祐先生のSTEAM教育「山形五堰ゆるキャラを作ろう!」イベントにて誕生した「山形五堰ゆるキャラ」を表紙とするパンフレットを作成したのです。「山形五堰ゆるキャラ」は、イベントに参加した山形市内の小学生、地域教育文化学部1年芳賀日和さん、そして「まちの記憶を残し隊」の隊員が協力して誕生させたものになります。
 パンフレットでは、「山形五堰」の歴史からはじまり、山形五堰見学会で私たちが感じた「山形五堰」の見どころスポットを収集した写真とともに掲載し、私たちの清掃活動、調査活動の紹介をしています。「山形五堰ゆるキャラ」を通して、「山形五堰」の歴史を学べ、「山形五堰」の“現在”の課題も知ることができます。
 このパンフレットは、山形大学のホームページで公開しており、ダウンロード・二次利用可能です。多くの人に読んでいただき、「山形五堰」の魅力を感じてもらうことで、「まちの記憶を残し隊」の“現在”を残す活動に共感してもらえたら嬉しいです。

山形五堰の文系・理系調査活動

山形大学の周辺の笹堰清掃

資料

関連サイト

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「まちの記憶を残し隊」Instagramアカウント

代表者、担当組織

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連絡先

machinokiokuwonokoshitai@gmail.com

関係者、共同実施者

【小幡圭祐(最高顧問)】【石黒志保(顧問)】

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